TEAMSOctober 23, 2020
ニューノーマルな働き方を実現する組織施策「Shape New Work」
PICK UP
2020年3月後半以降、Covid-19の感染拡大を受けて、オフラインからオンラインへの活動移行、在宅勤務・リモートワーク中心の働き方への移行を全社で進めてきました。
オンラインの働き方に対して中途半端な適応にならないように、オフラインのイベント・出社前提の働き方への早期回帰は期待せずに、思い切って、オンライン化・リモートワーク化への適応に振り切ってやってきました。
事実、2020年3月最終週以降、8月末までの5か月間は、一部出社が必要なコーポレートの業務を除き、原則出社しない働き方を実現しました。9月以降は、週1日までの出社を可能とする形に運用を変えながらも、現時点でもオフィスへの出社率は1割以下となっています。
もともと、オフラインのセミナー・イベント・面談などリアル接点を重視した業務が多かったこともあり、サービス上オンライン化するには大きな意識転換、やり方をゼロから作り直す部分も必要でしたが、上記のとおり振り切った対応をしたことで、全社一丸となって適応に向けた動きが促進できたと感じています。
こうしたニューノーマルな働き方・組織運営を実現するために実施してきた一連の組織施策を「Shape New Work(シェイプニューワーク)」と名付けてまとめました。
同じように新しい様式への適応に、試行錯誤される企業の皆様にも参考になる部分もあるかもしれないと思い、できる限り内容について公開していきたいと思います。
大きく分けて3つに分類されます。
「Shape New Work」3つの柱
1.カルチャーブックによるカルチャー浸透の推進
2.1on1データと社内アンケートのデータ活用による社員フォローの仕組み
3.就業規則や各種手当・制度の改定を含むニューノーマル人事制度
順番に、簡単に説明していきます。
まずカルチャーブックによるカルチャー浸透の推進についてです。
リモートワークの比率が高まる中で、従来のオフィス空間において、同僚の振る舞いややり取りを見ることや先輩が背中を見せることで感じることができていたカルチャーの部分が共有しにくくなっているはずです。
また、採用においても面接から入社後のオンボーディングまでオンラインで完結するケースが増えてきました。オンラインの面接には慣れの問題もありますが、やはり対面での情報量に比べて劣る部分もありますので、よりカルチャーフィットの見きわめが難しくなると考えました。
そこで、カルチャーを言語化して共有できるようにカルチャーブックを作成しました。元々Netflixが公開していたCulture Deckのようなものが自社でも作りたいと前々から思っていたこともあり、中長期でのリモートワーク化を意思決定した2020年4月からカルチャーブックの作成に向けた動きをスタートしました。
従来は、ミッションやバリューの言語化と共有を通してカルチャーを浸透させようとする会社が多く、スローガンも、ミッションとバリューを中心にカルチャーを共有しているつもりでした。リモートワークの比率が上がり、対面で接したことがない社員同士が働くことも増えていく中で、改めて解釈の余地に幅のあるミッションやバリューよりも、もっと文章としてしっかりとスローガンのカルチャーとはこうである、という文章があった方が良いのではないかと考えて、敢えて文章形式でつらつらと記述するスタイルで作成しました。ゆえにカルチャー「ブック」となったのです。
カルチャーブックをつくる上で工夫したことは位置づけです。これは規則でもルールでもなく、プリンシプルであるという位置づけを前提としました。
「人の可能性を引き出す」組織を目指すために実践した方が良いことをまとめたものであり、守らなければいけないものではなく、目指す方向性の合意である、としたのです。
内容としては、信頼関係を重視する考え方や求める人材像についてやリーダーシップについての考え方、多様性についてまとめています。
2つ目の柱は、1on1データと社内アンケートのデータ活用による社員フォローの仕組みです。
スローガンでは全社員が定期的に1on1を行っていますし、1on1のログを共有するクラウドツールTeamUpを活用して1on1を起点にした社内での連携により社員フォローの仕組みを実現しています。
同時に、全体会議や部署ごとの定例会など社内イベントの度に必ず社内アンケートを取りますし、四半期ごとにキャリアアンケートという個人ごとのキャリア形成に関する希望(異動希望の有無も含む)を取得しています。
こうした日常的な1on1データと社内アンケート情報をもとに、経営・人事と現場マネジャーとが連携して適切に社内での人材配置や成長に向けた適時フォローアップに動いています。
2020年4月以降、全社リモートワークになっても、社内の情報が見えずに不安な状態に陥ることなく、社内メンバーが感じていることやそれぞれ抱える課題についても把握できて、適切に全社および事業ごとの舵取りができたのも、このコミュニケーションデータインフラがあったからこそだと考えています。
3つ目の柱としては、就業規則や各種手当・制度の改定を含むニューノーマル人事制度があります。
オフィスを出社しなければいけない場所という認識から、必要に応じて集まる場所という認識に転換しました。一部業務によっては出社が必要なケースは残るものの、多くの仕事においてフルリモートを可能にしています。
従来のオフィススペースについても縮小を決定し、固定席をなくしたフリーアドレスに移行します。gooddaysホールディングスさんとも連携してニューノーマルに対応した新しいオフィスでの働き方を模索していきます。
出社をマストとしないことで、通勤手当の廃止とともに住む場所の自由度も高める設計を可能にしました。事業所から100km圏内であれば通常の通勤扱いとして通勤交通費を支給(月額上限あり)として、都心から離れた近郊への引っ越しも可能にしています。
また、業務上問題がないと承認された前提であれば、フルリモートを前提に、国内であればどこでも居住可能にしています。その場合、本社や事業所への出社は出張扱いとなりますので、出社については出張承認が必要になります。
以上のように、リモートワークの比率が高まるニューノーマルに対して、カルチャーの共有・浸透やメンバーのフォローなどのエンゲージメントの観点も考慮した上で、新しい組織運営・働き方を支援する組織施策パッケージとしてShape New Workを運用していきます。
今後、同様の課題感をお持ちの企業の皆様にもご参考にしていただけるように、スローガンでのカルチャーブック作りの事例や1on1や社内アンケートの活用事例、ニューノーマルに対応したオフィスや就業ルールの作り方などについて、積極的に発信していければと思います。
今回のリリースと合わせて、本施策実行に至る背景等をお伝えすることで、組織施策の参考にしていただけるようgooddaysホールディングス社・代表小倉氏とスローガン代表伊藤によるタイアップセミナーを開催予定です。ぜひご参加ください。
▼セミナーお申し込みはこちら
https://www.fastgrow.jp/events/shape-new-work